トムとジェリーっていうアニメがあって。
自分はあまり見たことが無いけど。
そのアニメのざっくりとした方向は分かってて。
ネコのトムとネズミのジェリー。
身体の小さいジェリーが身体の大きなトムをからかう話。
ネズミのズル賢さと、ネコのおバカな一面を見せてくれる話。
毎回毎回、そんな話。
先日。
何かのテレビ番組で劇団ひとり氏が
「ネットで見つけたんだけど――」
と言って、トムとジェリーの最終回的な話をしていて。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ネズミのジェリーが大人になっていて。
ネコのトムはジェリーの前から姿を消して。
トムはひっそりとこの世を去りました。
トムが居なくなってジェリーは
「退屈になるな」
と別段悲しむ様子も無く。
そんな折。
ジェリーの前に見るからにのろまな猫が現れました。
「トムの時みたいなスリルは無さそうだけど……まぁからかってやるか」
そんな風にしてジェリーはトムにしてたように罠を仕掛けます。
穴の空いた三角チーズをネズミ捕りの上に。
いつものようにネズミ捕りに引っ掛かるフリをして。
自分を捕まえに来た猫を逆に捕まえるという段取りです。
物陰に隠れて待っているジェリー。
罠に近付くノロマな猫。
しかし猫はジェリーの匂いに気付くや否や、
ノロマな外見とは裏腹な速さでジェリーに襲い掛かりました。
予想外の事態にジェリーはトムから逃げるように走るのだけど。
すぐにガブリと噛みつかれ。
トムを相手にしていた時は。
一度もこんな事はなかったのに。
何かがおかしいのでした。
薄れ行く意識の中でジェリーは気付きました。
(あぁ……そうか。僕はいつもトムをからかった気でいたけど。
トムは僕と遊んでくれていたんだなぁ――)
天国にのぼったジェリーはトムと再会しました。
「お、ジェリーじゃないか。今日こそは捕まえてやるからな」
「ふんっ。やれるもんならやってみなよ、トム」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
的な。
大好きこういうの。
公式なアレじゃないにせよ、感動した。
異種族間の友情。
パッと見仲悪いんだけど、本当は――的な。
大好物なんだぜ。
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